30秒でわかる結論
投資判断:★★★★☆(中長期で注目)
東祥は「ホリデイスポーツクラブ」の運営会社という印象が強いですが、実際にはスポーツクラブ・ホテル・不動産の3事業を展開しています。
特に、スポーツクラブの月会費や賃貸マンションの家賃収入など、継続的な収益基盤を持っている点が魅力です。
派手な成長株ではありませんが、ストック性・収益性・財務の安定感を重視する投資家に向いた企業だと考えています。
はじめに
私は以前から、毎月・毎年繰り返し収益が入る「ストック型企業」に注目しています。
東祥についても、当初はスポーツジムの会社という印象でしたが、詳しく調べると、スポーツクラブの会費収入だけでなく、賃貸マンションの家賃収入やホテル事業も持つ会社でした。
今回は、2026年3月期の有価証券報告書と2027年3月期第1四半期決算をもとに、東祥を「My 株ノート評価 Ver.1」で整理します。
会社概要
主力事業
東祥の主な事業は次の3つです。
- ホリデイスポーツクラブ
- ABホテル
- 賃貸マンション「A・City」などの不動産事業
2026年3月末時点で、ホリデイスポーツクラブ95店舗、ABホテル38店舗、賃貸マンション51棟・2,040室を運営しています。
何で稼いでいる会社か
主力はスポーツクラブ事業です。
スポーツクラブでは会員からの月会費、ホテルでは宿泊料、不動産事業では賃貸マンションの家賃などから収益を得ています。
ビジネスモデル
東祥の特徴は、一度商品を販売して終わる会社ではない点です。
スポーツクラブでは会員が継続している限り月会費が入り、不動産では入居者から家賃収入が入ります。
ホテルは定額課金ではありませんが、法人利用やリピーター、インバウンド需要などによって継続的な収益を生み出す事業です。
業績推移
| 決算期 | 売上高 | 営業利益 | 純利益 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月期 | 356.2億円 | 59.4億円 | 12.3億円 |
| 2026年3月期 | 276.0億円 | 74.8億円 | 35.5億円 |
| 2027年3月期(会社予想) | 273.7億円 | 76.6億円 | 32.3億円 |
2026年3月期は、前年までにあった賃貸マンション売却の影響が薄れたことで売上高は減少しました。
一方で、営業利益は増加しており、売上規模よりも収益性を重視した事業運営へ移行していることが分かります。2027年3月期も、売上高はほぼ横ばいながら営業増益を見込んでいます。
2027年3月期第1四半期決算
第1四半期の業績は次の通りでした。
- 売上高:64.9億円(前年同期比10.4%減)
- 営業利益:17.0億円(同8.5%減)
- 経常利益:16.9億円(同8.9%減)
- 親会社株主に帰属する四半期純利益:7.5億円(同14.8%減)
表面上は減収減益ですが、主な減収要因は前年同期に賃貸マンション売却があった反動です。
事業別に見ると、スポーツクラブ事業は前年同期比2.3%増収でした。月会費の価格改定、新プログラム、ピラティスマシンの導入などが売上に寄与しています。
ホテル事業は、インバウンド需要の減少により2.7%減収となりましたが、既存36店舗の平均宿泊稼働率は81.6%でした。
不動産事業は62.1%減収でしたが、前年同期に賃貸マンション売却があった反動によるものです。賃貸マンションの保有数は51棟・2,040室で、前期末から変更はありません。
私は、売上高の減少だけを見るよりも、スポーツクラブ本業が増収を維持している点を評価したい決算だと考えています。
📊 My 株ノート評価 Ver.1
| 評価項目 | 評価 | 一言コメント |
|---|---|---|
| 📈 成長性 | ★★★★☆ | 急成長ではないものの、本業の収益改善が進んでいる |
| 🔄 ストック性 | ★★★★★ | 月会費と家賃収入という継続収益を持つ |
| 💰 収益性 | ★★★★☆ | 営業利益率が高く、売上減少下でも利益を確保 |
| 🏦 財務 | ★★★★★ | 自己資本比率50%超、現預金も厚い |
| 💹 割安度 | ★★★★☆ | 利益水準に対して過熱感は小さいと判断 |
| 🚀 未来性 | ★★★☆☆ | 健康・インバウンド・省人化が成長テーマ |
| 🌱 長期保有度 | ★★★★★ | ストック性、財務、株主還元を総合的に評価 |
総合評価:★★★★☆(4.3/5)
📈 成長性 ★★★★☆
公式データ
- 2027年3月期売上高予想:273.7億円
- 営業利益予想:76.6億円
- 経常利益予想:76.3億円
- 営業利益は前期比2.5%増予想
- 経常利益は前期比2.1%増予想
コメント
売上高の大幅な成長を目指すというよりも、既存事業の収益力を高めて利益を積み上げる会社です。
スポーツクラブでは月会費改定の効果が出ており、既存店の改善も進んでいます。
ただし、AI企業やSaaS企業のような高成長ではないため、評価は星4としました。
🔄 ストック性 ★★★★★
公式データ
- ホリデイスポーツクラブ:95店舗
- 賃貸マンション:51棟・2,040室
- ABホテル:38店舗
コメント
ストック売上比率や会員継続率は公表されていません。
そのため、具体的なストック売上比率は掲載しません。
一方で、スポーツクラブの月会費と賃貸マンションの家賃収入は、継続的に積み上がる収益です。
ホテル事業は厳密にはストック収入ではありませんが、法人客やリピーターを中心とした継続需要が期待できます。
ビジネスモデルから見て、継続収益性は高いと判断しました。
💰 収益性 ★★★★☆
公式データ
- 2026年3月期売上高:275.96億円
- 経常利益:74.76億円
- 2027年3月期第1四半期営業利益率:約26.2%
第1四半期の売上高64.91億円に対して、営業利益は16.99億円でした。
コメント
第1四半期は不動産売却の反動で減収となりましたが、それでも営業利益率は高い水準を維持しています。
特にスポーツクラブ事業では、売上高が増加しただけでなく、セグメント利益も前年同期の約2.4億円から約5.3億円へ増加しました。
本業の収益力改善は評価できます。
🏦 財務 ★★★★★
公式データ
- 自己資本比率:53.6%
- 現金及び預金:約192.6億円
- 総資産:約703.7億円
- 長期借入金:約121.7億円
コメント
ホテルやスポーツクラブ、不動産を保有するため一定の借入金はありますが、現預金も厚く、自己資本比率は50%を超えています。
第1四半期には長期借入金やリース債務も減少しており、財務に大きな不安は感じません。
💹 割安度 ★★★★☆
公式データ
株価、PER、PBR、配当利回りは日々変動するため、記事公開日の数値を確認して掲載します。
コメント
2027年3月期の会社予想EPSは91.19円、年間配当予想は10円です。
利益水準や財務の安定性を考えると、株価に過度な成長期待が織り込まれている印象はありません。
ただし、配当利回りは高配当株と呼べる水準ではないため、配当だけを目的に投資する銘柄ではないと考えています。
🚀 未来性 ★★★☆☆
関連テーマ
- 健康志向
- ピラティス需要
- インバウンド
- DX
- 省人化
- 省エネ
コメント
スポーツクラブでは、女性向けのピラティスマシン導入店舗を拡大しています。
また、顔認証ゲート、高効率機器、LED照明などを導入し、省人化とコスト削減にも取り組んでいます。
ホテル事業ではインバウンド需要が成長材料になります。
ただし、これらは急激な市場拡大を期待するテーマというより、既存事業を安定的に成長させる材料です。そのため星3としました。
🌱 長期保有度 ★★★★★
判断材料
- 月会費と家賃収入による継続収益
- 自己資本比率50%超
- 年間10円の配当予想
- 自己株式取得
- スポーツクラブ本業の収益改善
第1四半期には83万7,400株の自己株式を取得しています。
コメント
ストック性の高い事業を持ち、財務も安定しています。
急成長を狙う銘柄ではありませんが、利益を積み上げながら株主還元の拡大を期待する長期保有には向いていると考えています。
この会社の強み
- スポーツクラブの月会費という継続収入がある
- 賃貸マンションから安定した家賃収入を得られる
- スポーツクラブ・ホテル・不動産の3事業でリスクを分散している
- 営業利益率が高い
- 自己資本比率が50%を超え、財務が安定している
気になる点・リスク
スポーツジム業界の競争
24時間ジムや低価格ジムが増えており、フィットネス市場の競争は激しくなっています。
東祥は大型の総合型スポーツクラブを運営しているため、低価格ジムとは異なる魅力を打ち出す必要があります。
ホテル事業の需要変動
ホテル事業は景気、出張需要、インバウンド、為替などの影響を受けます。
第1四半期はインバウンド需要がやや減少し、既存店の稼働率も前年同期を下回りました。
人件費と光熱費の上昇
スポーツクラブとホテルは、従業員や設備を必要とする事業です。
賃金、電気代、燃料費などが上昇すると、利益率を圧迫する可能性があります。
売上高が特殊要因で変動する
賃貸マンションを売却した年度は売上高や利益が大きく増えるため、前年同期比だけでは実態を判断しにくい会社です。
事業別の売上高や利益を見る必要があります。
今後確認したいポイント
- スポーツクラブ事業の売上とセグメント利益
- 会員数や退会率が今後開示されるか
- ホテルの稼働率と客室単価
- ピラティスマシン導入の効果
- 人件費、光熱費の増加
- 年間配当の増額
- 自己株式取得の継続
- 通期業績予想の達成状況
📝 My 投資メモ
注目している理由
月会費と家賃収入という継続収益を持ちながら、財務も健全だからです。
買い増しを考える条件
- スポーツクラブの増収増益が継続する
- ホテル稼働率が回復する
- 配当や自己株式取得が拡大する
- 営業利益が会社予想を上回るペースで進む
投資判断を見直す条件
- スポーツクラブ事業の減収が続く
- 会費改定後に会員離れが進む
- ホテル稼働率が継続的に低下する
- 人件費や光熱費の上昇で利益率が大幅に悪化する
- 借入金が増え、財務の安定性が低下する
次回決算で確認したいこと
スポーツクラブの売上と利益、ホテル稼働率、通期計画に対する進捗を確認します。
まとめ
東祥は、スポーツジム運営会社というイメージだけでは捉えきれない企業です。
スポーツクラブの月会費、賃貸マンションの家賃収入という継続収益を持ち、ホテル事業も組み合わせています。
第1四半期は前年のマンション売却の反動で減収減益となりましたが、スポーツクラブ事業は増収となり、利益も大きく改善しました。
派手な成長株ではありませんが、ストック性、高い収益性、健全な財務という長期投資で重視したい要素がそろっています。
私は、継続収益を持ちながら本業の収益改善が進んでいる点から、中長期で注目しています。
投資に関する注意事項
※本記事は「My 株ノート」として公開資料をもとに作成した個人的な銘柄分析です。特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は、ご自身でも決算資料やIR資料をご確認のうえ、ご自身の判断と責任でお願いいたします。


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