放送会社から宇宙インフラ企業への転換を評価
最近、スカパーJSATの株価が下がってきたため、新規購入候補として調べました。
私が興味を持ったのは、売上があまり増えていない時期にも利益が伸びていたことです。また、同社は「スカパー!」を運営する放送会社という印象が強い一方、日本では珍しい通信衛星の保有・運用会社でもあります。
今回は、何で稼いでいるのか、利益が増えた理由、宇宙事業の将来性を確認し、長期保有できる会社かを評価します。
スカパーJSATは何をしている会社?
スカパーJSATは、放送サービスと衛星通信を手掛ける会社です。
事業は大きく、通信衛星や衛星データを扱う「宇宙事業」と、有料放送や光回線テレビなどを扱う「メディア事業」に分かれます。
現在は放送だけでなく、政府・企業向け通信、安全保障、航空機・船舶向け通信、衛星画像の提供などへ事業を広げています。
ビジネスモデル
宇宙事業
通信衛星を使い、政府、公共団体、企業、放送事業者などに通信回線や関連サービスを提供しています。
主な収入源は、国内の衛星通信、放送会社向け衛星回線、航空機・船舶向け通信、衛星画像や位置情報を活用するサービスです。
2026年3月期の宇宙事業の営業収益は698億円でした。国内衛星通信が約半分を占め、航空機・船舶などの分野や、衛星画像を扱うスペースインテリジェンス事業も成長しています。
衛星本体だけでなく、地上局や衛星を管理する設備も持ち、長期契約で通信サービスを提供する点が特徴です。
メディア事業
「スカパー!」の基本料、視聴料、チャンネル運営会社からの業務手数料などが主な収入です。
そのほか、NTTの光回線を利用したテレビ再送信サービスや、法人向け映像サービスも展開しています。
放送加入者は減少していますが、光回線テレビの収入を伸ばし、放送収入の減少を補う形へ変わりつつあります。
業績
| 決算期 | 営業収益 | 営業利益 |
|---|---|---|
| 2025年3月期 | 1,237億円 | 275億円 |
| 2026年3月期 | 1,276億円 | 353億円 |
| 2027年3月期予想 | 1,350億円 | 390億円 |
2026年3月期は、営業収益が3.1%増だったのに対し、営業利益は28.3%増となりました。2027年3月期も増収増益を見込んでいます。
30秒でわかる結論
My 株ノート判定
🟢 長期保有候補
総合評価
★★★★☆
良い点
- 衛星通信の長期契約がある
- 宇宙事業の利益率が高い
- 安全保障や衛星データに成長余地がある
- 財務が強く、大型投資を進められる
気になる点
- 放送加入者の減少が続いている
- 直近の大幅増益には一時的な費用減も含まれる
- 新しい衛星への投資額が大きい
📊 My 株ノート評価 Ver.1
| 評価項目 | 評価 | 一言コメント |
|---|---|---|
| 成長性 | ★★★★☆ | 宇宙事業が伸びる一方、放送事業は縮小傾向 |
| ストック性 | ★★★★★ | 衛星通信の長期契約と継続収入がある |
| 収益性 | ★★★★★ | 営業利益率が高く、利益を生みやすい |
| 財務 | ★★★★☆ | 財務は強いが、今後は大型投資が続く |
| 割安度 | ★★★☆☆ | 高値から下落したが、成長期待も織り込まれている |
| 未来性 | ★★★★★ | 宇宙通信、安全保障、衛星データが成長テーマ |
| 長期保有度 | ★★★★☆ | 投資回収を確認しながら長期で見たい |
各評価
成長性:★★★★☆
2026年3月期は宇宙事業の売上が51億円増えました。国内衛星通信や衛星画像関連が成長しています。一方、メディア事業は減収のため、全社で急成長する会社とはまだ言えず、★★★★☆としました。
ストック性:★★★★★
宇宙事業を中心とする長期契約の残高は約1,333億円あり、今後1年から19年にわたって売上になる予定です。衛星通信や放送、光回線の継続収入が多いため、★★★★★と評価しました。
収益性:★★★★★
2026年3月期の営業利益率は約27.6%です。宇宙事業は既存の衛星や地上局を使って契約が増えると、追加売上が利益につながりやすい構造を持つため、★★★★★としました。
財務:★★★★☆
自己資本比率は74.4%で、現金も有利子負債を上回っています。ただし、2025~2027年度に約2,200億円の成長投資を計画しているため、今後の借入増加も考慮して★★★★☆です。
割安度:★★★☆☆
株価は高値から下落していますが、宇宙・防衛関連として期待を集めた銘柄でもあります。利益成長が計画どおり続くか確認が必要なため、現段階では★★★☆☆としました。
未来性:★★★★★
安全保障、航空機・船舶向け通信、衛星画像、低軌道衛星など、将来市場が広がっています。会社は2030年度の宇宙事業売上1,200億円以上を目指しており、★★★★★と評価しました。
長期保有度:★★★★☆
通信衛星、地上局、運用経験、政府や企業との長期契約は簡単にまねできません。ただし、大型投資が予定どおり利益につながるかを見る必要があるため、★★★★☆です。
この会社の強み
- 通信衛星と地上の管理設備を保有している
- 約40年にわたる衛星運用の経験がある
- 政府・企業との長期契約が多い
- 宇宙事業の利益率が高い
- 放送事業が成長投資の資金を生んでいる
気になる点
- スカパー!の加入者減少が続いている
- 2026年3月期の利益増には一時的な費用減もある
- 衛星の製造・打ち上げ・運用には大きな資金と事故リスクがある
次回決算で見るポイント
- 安全保障や国内衛星通信の売上
- スペースインテリジェンス事業の成長
- メディア事業の利益率
- 放送加入者と光回線テレビ収入
- 成長投資と借入金の増減
💬 私の投資メモ
私は、スカパーJSATを放送会社ではなく、宇宙インフラ会社として見ると魅力が大きいと思いました。直近の大幅増益には費用減の効果もあるため、一度に多く買うより、まず100株を購入し、宇宙事業の売上成長を確認しながら追加を判断する銘柄だと思いました。まだ購入するかわかりませんが、株価が下がったら、100株購入したいです。
まとめ
スカパーJSATは、放送事業の加入者減少という課題を抱えながら、宇宙通信、安全保障、衛星データへ成長の軸を移しています。
長期契約による安定収入と高い利益率は魅力ですが、今後は大型投資を回収できるかが重要です。決算ごとに宇宙事業の成長を見ていきたいと思います。
※本記事は「My 株ノート」として公開資料をもとに作成した個人的な銘柄分析です。特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は、ご自身でも決算資料やIR資料をご確認のうえ、ご自身の判断と責任でお願いいたします。


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