AI活用で本業改善も、来期予想が弱く株価は下落へ
(My 株ノート|50代からのゆる投資録)
📝 この記事の結論(先に要点だけ)
- 2025年9月期は 増収・大幅増益。前期の赤字から完全に黒字へ転換。
- HOME’S事業がAI活用で効率化し、利益率が改善。
- 海外事業の整理が完了し、収益構造がより“国内集中”へ。
- しかし 2026年度の業績予想が弱め で、決算後の株価は下落。
- 来期の減益は「海外売却益の剥落」「成長投資フェーズ入り」が主因。
(長文ですが、見出しごとに読みやすくしています)
📊 2025年9月期 決算概要(連結)
| 項目 | 2025年9月期 | 前期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 281.27億円 | 263.12億円 | +6.9% |
| 営業利益 | 38.15億円 | 30.27億円 | +26.1% |
| 税引前利益 | 38.05億円 | 25.49億円 | +49.3% |
| 当期純利益 | 53.10億円 | △84.62億円 | ― |
| EPS | 41.51円 | △66.12円 | ― |
| 営業利益率 | 9.3% | 5.5% | +3.8pt |
| 配当 | 10.41円 | 0.73円 | 大幅増配 |
→ 増収・大幅増益・黒字化の文句なしの決算。
🏠 セグメント別の状況
【1. HOME’S関連事業(主力)】
- 売上収益:255.4億円(+6.3%)
- セグメント利益:43.2億円(+61.7%)
AI・生成AIを使った効率化が効果を発揮し、
広告費を抑えたままトラフィック・問い合わせが増加。
→ 本業の収益力が明らかに改善。
【2. その他事業(介護・地方創生・宿泊)】
- 売上:25.9億円(+13.5%)
- セグメント損失:▲3.6億円(改善)
楽天ステイ物件の取得により、宿泊関連収益が増加。
「LIFULL介護」も黒字化へ向けて改善が進んでいる。
💴 財務・キャッシュフローのポイント
- 自己資本比率 63.6% と健全。
- 営業CF:+48億円 → 本業でしっかり稼いでいる。
- 投資CF:▲118億円 → 不動産投資など成長投資を強化。
- 現金残高:107億円(前年146億円)
→ キャッシュは減ったが「未来への投資が増えた」形。
📈 なぜ決算後に株価は下落したのか?
決算内容は良かったのに、発表後のPTSは急落。
理由はハッキリしていて、
➤ 来期(2026年度)の業績予想が弱いから。
短信の予想値を見ると:
| 項目 | 2025年度 | 2026年度予想 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 営業利益 | 38.15億円 | 30.00億円 | ▲21.4% |
| 当期純利益 | 53.17億円 | 19.00億円 | ▲64.3% |
この「大幅減益予想」が市場に嫌気されました。
来期利益が落ちる主因はこれ:
1️⃣ 2025年に計上された 海外事業売却益(約28億円)の反動
→ 2026年には発生しないので純利益が大きく減る。
2️⃣ 成長投資フェーズに入るため、コストが先行
- 人件費
- 広告費
- 新規サービス開発費
- 不動産関連投資の償却
→ 営業利益が一時的に圧迫される構造。
3️⃣ 中期成長に向けた“先行投資”を市場が短期的にネガティブ視した
🧩 総合評価:中長期ではむしろプラス材料多め
今回の決算は、短期的な利益だけでなく、
LIFULLが中長期の成長ステージに入る準備が整った ことを示しています。
- 本業(HOME’S)が強くなっている
- AI活用で収益効率が改善
- 海外撤退で体質がスリムに
- 投資CFが増えており新事業の芽が育ち始めている
来期は投資先行で利益は落ちますが、
これはむしろ “次の成長のための必要コスト” という位置づけ。
中長期視点では、
「2025年が底固め、2026〜2027年で再成長」
というシナリオが十分に考えられます。
✍️ 最後に:まとめ
- 決算そのものは極めて良い
- 来期予想だけが株価を押し下げた
- しかしその“減益”は先行投資によるもの
- 本業の安定感はむしろ強まっている
株価が急落しても、
“決算内容を精読した人にはチャンスに見えるパターン”ともいえます。
AIに分析してもらったのですが、来期の予想は悪かったのですが、決算は良かったと考えていますので、株価が下がり停滞して下げ止まりしたら少し買いましても良いかなと思います。
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