1. どんな会社?
ランドネット(2991)は、中古マンションを中心に、
仕入れ・リフォーム・再販・仲介をワンストップで行う不動産流通企業です。
自社で物件を一時的に保有し、リノベーションや再販を行って利益を得る
「再販型ビジネスモデル」を採用しています。
同社の特徴は、仕入れから販売までの期間が短く、
業界内でもトップクラスの**在庫回転日数(約90日)**を維持している点です。
いわば、相場上昇を待つタイプではなく、スピードで利益を積み上げる企業です。
2. 最新決算の概要(2025年7月期 連結)
| 指標 | 実績 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 959.92億円 | +23.4% |
| 営業利益 | 37.44億円 | +34.4% |
| 経常利益 | 33.11億円 | +31.5% |
| 当期純利益 | 23.84億円 | +29.5% |
| 販売用不動産残高 | 約227.6億円 | +37% |
| 在庫回転日数 | 約89〜90日 | 良好維持 |
(出典:有価証券報告書・決算短信)
3. キャッシュフローの構造
最新決算では、営業キャッシュフローがプラスを維持しています。
これは、仕入と販売のサイクルの中で、本業が確実に現金を生んでいることを示しています。
一方で、フリーキャッシュフローはマイナス。
理由は、販売用不動産の仕入れ強化による投資活動キャッシュフローの増加です。
つまり、資金繰りが悪化しているわけではなく、
「売上を拡大するための前向きな投資」を行っている状態です。
💬 投資家目線で見れば、
営業CFが黒字でフリーCFが赤字という構造は、成長フェーズ企業の典型パターン。
成長投資の回収が進む来期以降に、CF全体の改善が見込まれます。
4. 高額物件仕入れと資産構造の変化
近年では、1億円超の中古物件を扱うケースも増えています。
これは借入金を利用した仕入れですが、同時に**販売用不動産(資産)**として計上され、
将来の販売・利益拡大のための布石となっています。
仕入れた物件を短期で売却する「回転型モデル」であるため、
在庫を長期保有して相場益を狙うタイプとは異なります。
むしろ、相場に依存せず差益×回転数で稼ぐ堅実型企業といえるでしょう。
5. 在庫回転の速さ=強みの証明
| 指標 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|---|---|
| 販売用不動産残高(億円) | 198 | 247 | 295 | 228 |
| 在庫回転日数(日) | 約95 | 約91 | 約89 | 約90 |
在庫回転日数は約3か月で安定しており、
仕入れから販売・現金化までのサイクルが非常に速いことが分かります。
このスピード経営が、借入金を増やしすぎずに
成長を維持できる理由となっています。
6. 投資家目線での評価
| 観点 | 内容 |
|---|---|
| 成長性 | 売上・利益ともに二桁増。今期も増収見込み。 |
| 安定性 | 在庫回転が速く、市況変化に強い構造。 |
| 財務面 | 営業CFはプラス、フリーCFはマイナス=拡大投資フェーズ。 |
| 今後の注目 | 営業CF黒字維持+フリーCF改善が見えたタイミングが再評価の契機。 |
7. 投資戦略(短期〜中期目線)
| 区分 | 株価レンジ | 行動方針 |
|---|---|---|
| エントリー | 1,350〜1,420円 | 押し目買いを検討 |
| 追加買い | 1,480円超 | 上昇トレンド確認後に追加 |
| 利確目安 | 1,550〜1,700円 | 段階的に利益確定 |
| 損切りライン | 1,280円割れ | トレンド崩壊と判断 |
現時点の判断:中立〜強気。
営業CFがプラスのまま成長を続ける限り、
企業価値は着実に積み上がっていくフェーズにあります。
は株価は2025年10月26日現在1391円 当期PER 6.9倍 予想PER 6.3倍で割安で推移しています。こちらは、AIの予想になりますが、参考にします。
8. まとめ
- ランドネットは「相場を待たずに差益と回転で稼ぐ」不動産再販企業。
- 営業CFはプラス、フリーCFはマイナスで成長投資中。
- 在庫回転は約90日を維持し、堅実な経営姿勢。
- 今後は、営業CF黒字+フリーCF改善が揃うことで再評価余地が拡大。
📈 注目タイミング:
来期(2026年7月期)で営業CF維持+フリーCF改善が確認された瞬間が、
株価再評価の「スイッチ」になる可能性が高い。



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