【銘柄メモ】ブロードリーフ(3673)| 自動車アフター市場で“ストック収益”を積み上げるDX企業

銘柄メモ

ブロードリーフはどんな会社?

ブロードリーフは、自動車整備や部品販売などの「アフターマーケット」に特化したシステムを開発・提供している会社です。
整備工場や中古車販売店、部品商などが日常的に使う見積・受発注・請求などの業務を効率化するクラウドサービス「.cシリーズ」を展開しています。

もともとは1991年に「日本オートマチックサービス(NAS)」として設立され、
2009年にブロードリーフへ社名変更。
2013年に東証一部(現プライム市場)に上場しました。

現在は全国3万社以上が同社のシステムを利用しており、
自動車整備業界では“業務ソフトの定番”といえる存在です。


どのようにして今の姿になったのか

設立当初はCDやパッケージ型のシステムを販売していましたが、
時代の流れとともにクラウド化を進め、現在は月額課金のSaaSモデルに完全移行。
一度契約すると継続的に利用されるため、ストック収益が積み上がる構造になっています。

この移行期には大きな開発費が発生し、2022年頃までは赤字が続きました。
しかし、クラウド契約の拡大とコスト最適化によって、2024年に黒字へ転換。
まさに「投資の成果が実り始めた段階」といえます。


ブロードリーフの業績推移(単位:百万円)

決算期売上高営業利益経常利益当期利益1株配当(円)備考
2021年12月期16,3035685873428.70 円クラウド移行期、減益ながら配当維持
2022年12月期14,030-1,906-1,929-1,4871.00 円赤字期だが配当維持
2023年12月期15,385-1,902-1,921-1,4871.00 円赤字継続だが配当維持
2024年12月期(実績)18,0456745453432.00円黒字復帰で配当復配
2025年12月期(会社予想)20,1001,6001,4501,0005.00円(予定)増収増益・増配見通し

クラウド化が軌道に乗り、売上・利益ともに右肩上がり。
営業利益率も改善し、今期は過去最高益を更新する見通しです。


黒字化の背景と要因

ブロードリーフの黒字転換は、単なる景気回復ではなく、
自社の構造改革による成果が大きいです。

主な改善ポイント

  • クラウド契約数の増加
     「.cシリーズ」の導入が拡大し、継続率も向上。
  • 販管費の効率化
     DX推進によるコスト削減で利益率が改善。
  • ハード・周辺サービスの伸長
     タブレットや釣銭機など、周辺製品の販売も好調。

ニッチ市場での強みと競争優位性

自動車アフター市場は、大手が参入しづらい「すき間市場」。
中小整備工場が多く、現場業務の慣習も多様なため、
他社が汎用ソフトで参入しても現場に合わないケースが多いです。

ブロードリーフは30年以上蓄積した業務ノウハウとデータベースをもとに、
現場に最適化されたシステムを提供しています。
そのため顧客が他社へ乗り換える可能性は低く、高いスイッチングコストが強みです。


今後の展開と成長の方向性

整備業界で蓄積したデータをもとに、
AIを活用した見積自動化や部品在庫管理の最適化など、
次世代サービスの展開が進んでいます。

また、EV(電気自動車)の普及によって整備の内容が変化していく中、
業界の変化に柔軟に対応できるプラットフォーム型ビジネスを目指しています。


まとめ

ブロードリーフは、自動車アフター市場というニッチ分野で
ストック収益モデルを確立したクラウド企業。
赤字期を経て黒字化し、安定成長のステージに入りました。
“地味だけど強い”ストック型SaaS銘柄として、
長期保有に向く銘柄の一つだと思います。

株価は2025年10月13日現在720円 当期PER 184倍 予想PER 64倍 PBR2.76倍 配当利回り 0.68% 中長期向けとして注目しています。まだPERも割高感があるので、株価が下がるか1株利益が上がりPERがもっと下がるまで待った方が良さそうです。


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