こんにちは。今日は「アイビーシー(3920)」という会社についてまとめてみます。
IT分野の中小型株で、ここ数年で 「ストック型収入」へ大きく舵を切っている企業 です。
🏢 #1 アイビーシー(3920)はどんな会社?
アイビーシー株式会社は、2002年10月に設立されたIT企業です。
そして、2015年12月に東証マザーズ(現在のグロース市場)に上場しました。
この会社が作っているのは、会社のパソコンやサーバーが「ちゃんと動いているか」を調べるソフト。
名前は 「System Answer(システムアンサー)」 といいます。
たとえば、学校のネットが急に遅くなったり、Wi-Fiがつながらなくなることがありますよね。
そんなときに、「どの部分で問題が起きているのか」を数字やグラフで見えるようにしてくれるのが、このソフトの仕事です。
つまり、パソコンやネットワークの健康診断をする“ITのお医者さん”のような会社です。
🌱 どうやって今の形になったの?
もともとは、ネットワークの監視システムを企業に売る「一回きりの販売型(フロー型)」のビジネスでした。
でも、2010年代後半から「契約を続けることで毎年お金が入る仕組み(ストック型)」に切り替え始めました。
理由は簡単。
一度きりの販売では、毎年売上が安定しにくかったからです。
それからは、ライセンス更新や保守サポートといった「長く使ってもらう収入」が増え、
今では売上の6割以上がストック収入という、安定した会社に成長しました。
💰 #2 どんなストック収入をしているの?
アイビーシーのストック収入は、主に次の3つから成り立っています。
🖥️ ① ソフトのライセンス更新
主力の「System Answer」は1年ごとにライセンスを更新します。
企業が「来年も使いたい」と契約を続けてくれると、その分の料金が毎年入ります。
これがアイビーシーの一番大きなストック収入です。
🛠️ ② 保守・サポートサービス
ソフトを導入した会社が「困ったときにすぐ相談できるように」とサポート契約を結びます。
サーバーの状態を見守ったり、不具合を直したりするための契約料も、毎年入る収入です。
☁️ ③ クラウド型の新サービス(ITOGUCHI)
最近では、ネットワークだけでなくセキュリティ面も守る新サービス「ITOGUCHI(イトグチ)」を開発中。
これも月額や年額の利用料をもらうタイプで、サブスク収入(ストック型) になる見込みです。
📈 ストック収入が増えるとどうなる?
- 売上が毎年安定する
- 景気が悪くても大きく落ち込まない
- 会社の価値が高まりやすくなる
このように、ストック収入を増やすことで、
アイビーシーは**「毎年おこづかいが入る仕組みを作った会社」**になったのです。
💹 #3 投資家目線で見るアイビーシーの成長力
アイビーシーは、ITシステムの監視・分析ソフトを作る会社として、
安定した「ストック収入型」ビジネスへの転換を進めてきました。
ここでは、過去数年の業績と投資家目線での注目ポイントを整理します。
📊 業績推移(2021年〜2025年9月期予想)
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 最終利益(百万円) | 配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021年9月期 | 2,013 | 281 | 274 | 197 | 0 |
| 2022年9月期 | 1,501 | ▲48 | ▲22 | ▲17 | 4 |
| 2023年9月期 | 1,900 | 212 | 234 | 70 | 6 |
| 2024年9月期 | 2,184 | 382 | 411 | 251 | 8 |
| 2025年9月期(予想) | 2,410 | 540 | 550 | 390 | 12(予定) |
(出典:決算短信・株探・IFIS等より作成)
📈 コロナ後の“谷”からV字回復
2022年はコロナによるIT投資延期や開発コスト増で赤字に。
しかし翌2023年には黒字に戻り、2024年はさらに利益を拡大。
- 売上:15億円 → 21.8億円へ(2年間で+40%)
- 営業利益:▲0.4億 → 3.8億円へ転換
コロナの影響を完全に乗り越えた形で、
「ストック収入による安定成長」 が軌道に乗りつつあります。
💰 ストック収入が支える利益体質
アイビーシーの強みは、売上の約6割を占めるストック型収入。
主な内訳は次の通りです。
- System Answer のライセンス更新料
- 保守・サポート契約の継続収入
- 新サービス「ITOGUCHI」によるクラウド課金
このストック部分があることで、
景気や一時的な案件変動に左右されにくい構造を実現しています。
2022年の赤字を機に、この安定モデルがより強化されました。
#4 まとめ
アイビーシーは、2022年の赤字をきっかけに
「売り切り型」から「ストック型」へとビジネスモデルを再構築しました。
結果、2023年以降は安定的に黒字を維持し、
今期(2025年9月期)はさらに営業利益+40%増を見込むなど、
“再成長フェーズに入った中小型IT企業” といえます。
中長期的には、クラウドサービス「ITOGUCHI」の収益化が進めば、
売上の70%以上がストック型になる可能性も。
株価は2025年10月19日現在996円 実績PER 21.8倍 予想PER 14.2倍 PBR2.58倍 配当利回り 1.20% 割安で魅力的な銘柄です。
「一度の赤字を糧に成長した企業」として、
今後も安定収益を軸に注目していきたい銘柄です。



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