直近の第1四半期で営業利益率15%達成を達成した、スペースマーケット(4487)について紹介します。
1、スペースマーケットってどんな会社?
- 設立:2014年1月8日
- 上場:2019年12月20日に東証グロース(旧マザーズ)に上場しました
- 何をしている会社か?:
スペースマーケットは、「空いている部屋や場所」を持っている人(貸す人)と、「イベントや会議などをしたい人」(借りる人)をつなぐ「時間単位で場所を貸し借りできるプラットフォーム」を運営しています。
たとえば、友だちと集まるためのリビング、写真撮影用のスタジオ、講演する会場などなど、いろんな空間が登録されています。 - どうして今の形になったの?:
- 設立からすぐにサービス開始(2014年4月)し、各種コンテストで受賞して話題になりました 。
- 2016年には民泊(家の一室を宿として貸す)にも挑戦し、さらに宿泊事業へ本格進出しました 。
- 2020年以降は「オフィス間借り」や「自治体向け予約システム(Spacepad)」も始め、いろんな用途へ広がっています。
つまり、初めは普通の部屋を時間貸しするサービスから始まって、今ではオフィスや公共施設にも使える、いろんな「場所シェアのプラットフォーム」になっています。
2、どのようなストック収入で稼いでいるの?
「ストック収入」とは、毎月・毎年ずっと続いて入ってくる安定したお金のことです。スペースマーケットにとってのストック収入には、主に次の2つがあります:
- 利用手数料
貸す側と借りる側が取引をするたびに、スペースマーケットが一定の手数料をもらいます。これはもうずっと続く収入です。 - 公共施設向けの予約システム(Spacepad)利用料
自治体や施設が「Spacepad」というシステムを使って予約を管理するために、毎月または毎年料金を支払います。これも安定して入り続けるお金です 。
📅 決算期ごとの業績まとめ表(単位:百万円/配当:円)
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 最終益 | 配当 |
---|---|---|---|---|---|
2021年12月期 | 1,228 | 60 | 66 | 39 | 0 |
2022年12月期 | 1,232 | –115 | –114 | –115 | 0 |
2023年12月期 | 1,564 | 101 | 113 | –168 | 0 |
2024年12月期 | 1,970 | 176 | 177 | 182 | 0 |
2025年12月期予想 | 2,570 | 226 | 219 | 205 | 0 |
投資家目線でのポイント解説
- 成長性が高い
- 2021→2024年の売上は毎年20〜30%増。2025年も約30%増見込み。
- コロナ後の需要回復に加え、ビジネス・イベント需要なども伸びている。
- 利益の安定・拡大
- 2022年に赤字転落したが、2023〜2024年にかけて黒字に復帰。
- 2025年はさらに利益率改善(営業利益率は約8.8%)を見込む
- 最終利益の立て直し
- 2023年は最終で赤字だったが、2024年と予想の2025年は200百万円超の黒字計上。
- 配当ゼロ継続
- 成長投資フェーズのため、配当は一貫してなし。
- 内部留保で新規事業やサービス拡大に資金を回す戦略と考えられる。
スペースマーケットは今、「成長から収益拡大」へ明確な転換期にあります。売上成長とともに利益率向上、ストック型の収入基盤の拡大という好循環に乗っており、短期的にも中長期的にも期待できる構造です。
ただし、競争激しさ、新規投資の動向、利益率維持などはリスク要因と考えられます。これらを踏まえつつ、投資判断を検討する価値がある銘柄といえるでしょう。
株価は2025年7月11日現在 409円 PER 24.1倍 PBR 6.31倍 中長期向けとして注目しています。
(関連記事:ストック型モデル企業5選|安定収益×高成長に注目の小型株)
コメント